乗り合いバス2012年07月22日

この島における唯一の交通手段は、バスです。えっ? タクシー? そんなものはありません。
バスといっても、ごらんの通り、トヨタのハイエース。これがバスです。
乗り合いバス01

中には、こんなバスも。これでは車がかわいそう…
乗り合いバス02
老いた体に、ムチ打って走らせている。そんな感じです。
だから、走行中に突然エンストすることもしばしば。そんなとき乗客は、「しょうがないなぁ」という感じで、黙って直るのを待っています。文句を言う人など、誰もいません。そして、無事直ると、おもむろに乗客がバスを降りて、バスを押し始めます。そう、車体を押してあげないと、エンジンがかからないんです。

他にも、いろいろびっくり満載です。
・バスが止まったと思ったら、運転手のおっちゃんが逃走。待つこと数分。おっちゃんがすっきりした顔で戻ってきました。ああ、用を足してきたのね。
・突然、料金回収のおばちゃんが「ちょっと止まって!」と言ってバスを停車。そして近くの商店へ。戻ってくると、料金箱に大量の小銭を投入。両替してきたんですね。

そんな感じのバスですが、このバス、みんなの大切な大切な足なんです。(私も含めて)
本数も結構多いですし、早朝から深夜まで運行しています。料金も、日本円で60円から150円くらいとリーズナブル。それになにより、女性や子供一人でも安心して乗れるんです。もともとこの国は治安がいいということもありますが、バスには料金回収のおばちゃんが必ず乗っていて、このおばちゃんが車内を仕切っていることも一因だと思います。ドライバーのおっちゃんは、このおばちゃんの言うがまま。男より女の方が強いのは、万国共通なんですね。

そして、車内には音楽が大音量で流れています。音量だけは日本のパチンコ屋に負けていません。この国に来たばかりの頃はうるさく感じたのですが、次第にこれがないと寂しくなってきます。ひょっとしたら中毒になったのかもしれません…

ちなみに車内はこんな感じです。
バスの車内

「いったい何人乗れるの? 大して乗れないでしょ。」
そうですね… 20人以上は乗れるかな。

バスが混んできたら、席を空けるために、大人たちが車内の子供を、しかも見ず知らずの子を、自分の膝の上に載せてあげるんです。それも自然と。東京で考えられますか?
人と人の絆が強く、助け合いの精神が根付いている証だと思います。
だから、私はこのバスが大好きです。