ワールドビジネスサテライトinキリバス2/32013年11月20日

■技あり! ニッポンの底力
キリバスの首都バイリキと、商都ベシオを結ぶ一本の道、コーズウェイ。
全長3.4km。道の両サイドは見渡す限りの海だ。この道路は、とある日本企業に
よって、1987年に建設された。
ニッポンコーズウェイ
道ができる以前は、干潮時にできる砂浜を歩いて人が行き来していた。物資の
輸送はボート。流通や人の往来にとって、大きな障害となっていた。 「これを何とかしたい」 キリバス政府は、オーストラリアにコーズウェイの建設を依頼。資金はアジア
開発銀行。工事は順調に進んだ。しかし、半分まで工事が進んだある日の朝、
工事現場に到着した作業員はみな、唖然とした。 現場に何もない。そう、潮の影響で、全てが流されてしまったのだ。 やむなく、オーストラリア業者は撤退。 そこで白羽の矢が立ったのが日本だった。建設を請け負ったのは大日本土木(株)。
日本政府の無償資金援助によって進められた。 しかし、日本もご多分にもれず、半分まで建設が進んだある日の朝、全てが流
されてしまうというアクシデントに見舞われた。皆が絶望のどん底に落とされた。 だが、ここからが日本の企業は違った。 諦めることなく、振り出しから工事を再開。遅れた工期を取り戻すため、24時
間体制で、潮の干満に合わせて作業を行った。 その結果、見事、納期通りに、日本と同じ品質でコーズウェイを完成させたので
あった。 キリバスの人たちは、長年の夢を実現させてくれた彼らに敬意を表し、この道
を「ニッポンコーズウェイ」と呼ぶようになった。 大日本土木(株)さんは、この実績を買われ、その後も、中央病院や国会議事堂
などの建設を受注。今では、「ダイニッポン」の名を、キリバスで知らない人
はいない。 そして現在、首都の港に大型船が直接停泊できるよう、港の拡張工事を行って
いる。日本からの大型無償資金援助である。
港湾拡張工事現場
現在、大型船は沖合に停泊し、物資を小型ボートに積み替え、ピストン輸送で
港に運んでいる。このため、輸送に4-5日かかっている。これは、食料を始め、
ほぼ全ての物資を輸入に頼っているキリバスにとって、大問題である。 完成予定は2014年春。国民の期待は高い。


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