お願いランキングinキリバス共和国 12012年11月04日

まず最初のお願いは、
「キリバスの物価事情を知りたーい」

キリバスは、本当に物価が高い。
目を疑いたくなるような価格にしょっちゅう遭遇します。
今回は、そんな国から、高い物ランキングをお届けします。

ちなみに、キリバスの通貨はオーストラリアドル。
ここでは、AU$1 = JP¥90円として計算します。

それではいくぞー。
お願いランキング。


☆1位
 キャベツ 1玉 1300円(AU$14.00)
  日本では、とても考えられない価格ですよね。
  キリバスは、珊瑚質の島なので、土壌が痩せていて、野菜がほとんど栽培
  できません。だから、ほとんどの野菜が輸入物。イコール高い。というわ
  けです。
  そんなわけで、キャベツを買うには一大決心が必要です。札束握りしめて、
  ドキドキしながらキャベツをレジに持って行きます。
  そして、買ってしまったと興奮しながら家に持って帰るのです。

☆2位
 コカコーラゼロ1.5L 1本 800円(AU$8.60)
  先日、無性にコーラを飲みたくなり、コーラを買いに行きました。
  基本的にキリバスの店では、商品に価格が表示されていません。レジで会
  計をするときに初めて分かります。
  レジでこの値段を請求されたときには、さすがに目を疑ってしまいました。
  350ml缶なら、120円(AU$1.30)なのに...

☆3位
 ピーマン 6個 450円(AU$5.00)
  久しぶりにピーマンを店で見かけて、ドキドキしながらレジに持って行っ
  たらこの価格。やっぱりな、と思いました。
  日本なら、100円くらいですけどね。

☆4位
 トリートメント375ml 1本 900円(AU$10.00)
  ちなみにシャンプーは半額くらいの価格。LION Malaysia製のemeronが、
  450円程度で売られています。
  キリバスでは、基本的に贅沢品は高いです。
  シャンプーは生活必需品だけど、トリートメントは贅沢品。この価格差は
  そこら辺にあるのでしょう。

☆5位
 ペーパータオル 2本 500円 (AU$5.50)
  日本なら、100円といったところでしょうか。
  トイレットペーパーも高いです。80円/個 もします。
  かさばるから、輸送コストがかかるのかな?
☆6位
 オレンジ 1個 200円(AU$2.20)   果物もキリバスでは高級品です。
  ちなみに、リンゴは1個150円位(AU$1.80)で売られています。
  キリバスで手に入る果物は、あとは近隣の島で取れるバナナとパパイヤ程
  度。あとは、缶詰でしのぐ毎日です。

 ☆7位
 パウンドケーキ 1本 1400円(AU$15.00)   キリバスでは、ちゃんとしたお菓子というものが手に入りません。
  そんな中、珍しくまともなお菓子が売られているのを発見。嬉しくなって
  買ってみたのですが、入荷したてのせいか、レシが商品を読み取ってくれ
  ません。
  店員さん「これ、多分$15.00だと思うんだけど、それでいい?」
  こっちに訊かれてもねえ。
フルーツケーキ

☆8位
 Pringlesのポテトチップス 1個 350円(AU$4.00)   時々売られているのですが、これだけ高いので、そうそう買えません。
  パーティーの差し入れで一度だけ買いましたが、それ以降は買っていませ
  ん。

☆9位  牛乳1.5L 1本 300円(AU$3.20)   オーストラリア製のロングライフパック(テトラパック)が売られています。
  でも、あまり地元の人が買っているところは見ません。
  牛乳を飲む習慣がないのか、高いからなのか、真偽は不明ですが。
☆10位  白砂糖2kg 800円(AU$9.00)
  砂糖も高いので、家での保管は、アリにやられないよう、厳重に保管して
  います。家にある食品類は、ちょっとでも油断するとすぐにアリにやられ
  てしまうんです。

いかがだったでしょうか。
次回は安い物ランキングをやろうと思いますが、10位まではどう頑張っても書
けません。3位か、せいぜい5位くらいまでかな。


お願いランキングinキリバス共和国 22012年11月10日

続いてのお願いは、
「キリバスの安いものを知りたーい」

前回は、驚くほど高価なもののランキングを書きましたので、今回は驚くほど(ではないけど)安いもののランキングをお伝えしたいと思います。ただ、とてもじゃないけど、10位までは挙げられません。でも、頑張って3位まで捻り出しました。

それではいくぞー。
お願いランキング。


☆1位
 ロブスター 中サイズ1尾 300円(AU$3.00-4.00)
  キリバスでは、海の幸 *だ*け*は* 豊富に採れます。(ホントにそれだけ)
  そんなわけで、海産物は安いです。
  ロブスターは、海が比較的きれいな北の方の島でたくさん採れます。その周
  辺の島の人たちが採り、首都のあるこの島まで船で売りに来るのです。

  写真のロブスター(キリバス語でTe newe)が、なんと一匹300円弱。
  日本で買ったら、10倍はするかもしれませんね。

☆2位
 カツオ 1匹 200円(AU$2.00-3.00)
カツオ
  キリバス海域では、カツオ(キリバス語でTe ati)も豊富に捕れます。
  島内では、道端にクーラーボックスを置いて、おばちゃん達が昼寝しなが
  ら売りさばいています。

  私はよく、家の近くのおばちゃん軍団の所で買っているのですが、いつも
  小ぶりのものを頼んでいるので、もう何も言わなくても小さめのものを選
  んでくれるようになりました。
  「そうよね、一人暮らしならこれでいいわよね。」
  と、彼女たちも分かってくれているようです。
  
  カツオと似たもので、キハダマグロ(キリバス語でTe baiura)も売られてい
  ますが、カツオよりも2倍以上高いです。そのぶん味は、、、大して変わ
  りません。
  それから、日本で採れるカツオとは違い、脂がのっていなく、身がもろい
  です。暑い所で育っているからでしょうね。日本漁船もキリバス海域で操
  業していますが、このあたりの海域で採れたものは、主にツナ缶の材料と
  して売るそうです。

☆3位
 米 18kg 1800円(AU$19.00-20.00)
  コメは、オーストラリアから全量を輸入しているのですが、これも安いで
  す。しかもジャポニカ米。もちろん、日本のコメと比べると味は格段に劣
  りますが、まあ、食べられます。
コメ
  キリバスでの主食は、伝統的にはタロイモなどの芋類なのですが、首都の
  あるこのタラワ島では、コメが普及しています。他の島では、まだ伝統的
  な食習慣のところもあるそうですけどね。

このほかにも、フカヒレやナマコ、ウニも豊富に取れるそうですが、キリバスの人達は食べないので、一般の市場には出まわっていません。この島に住んでいる中国人がほとんどを買い取って、中国に輸出しているそうです。
恐るべし中国人。

プロジェクトK〜挑戦者たち〜 12012年11月25日

=現地目線に立て=

語り : 田口 トノロヲ

これは、現地の人々の口に合う菓子を模索し続けた男(たち)の不屈の物語である。


2012年 日本では紅葉の頃
青年海外協力隊 コンピュータ技術隊員として、赤道直下の国、キリバス共和国に派遣された彼は、活動先である保健省と隣接する病院を行き来しながら、新しい保健システムの導入や、電子カルテの本格導入で忙しい日々を送っていた。

活動先では、職員の入れ替わりが頻繁にあり、そのたびにブオタキと呼ばれるパーティーが開かれる。
レストランや外食という文化がないこの国。ブオタキの場所は決まって、職場の部屋か、近くの集会所や広場で行われていた。
ブオタキ

料理は、参加者全員で持ち寄るのが原則。各自が指定された料理を作り、洗面器に入れて会場に運ぶのであった。
しかし、料理は決まって同じようなものばかり。
中でもデザートは、限られた果物か、粉末カスタードを雨水で溶いて固めたものしかなかった。
ブオタキの料理

彼は思った。
「もっときちんとしたおいしいものを食べさせてあげたい。」

実は、彼は一度、サーターアンダーギーを作って職場に持って行ったことがあった。これは大好評で、作り方を教えて欲しいと言われたほどだった。

だが、こんな簡単な料理ではなく、ちゃんとしたものにしたい。

彼は考えた。
「アップルパイならどこに持って行っても喜ばれるだろう。」

あるブオタキの前夜、自宅の台所に立つ彼の姿があった。
リンゴを煮て、小麦粉とバターからパイ生地を作って何度も折った。完成したのは深夜だった。
アップルパイ

明くる日、ブオタキの席で、彼はアップルパイを並べた。
「これは一体何だい?」
そう訊いてくる同僚達。
そうなのだ。彼らは、りんごのパイというものを見たことも食べたこともないのだ。
生まれて初めて見るものに、手をつけない者。興味本位で手をつけてみる者。しかし、食べた者の反応は悪かった。結局、半分近くが残り、犬のエサとなってしまったのだ。

彼(の心)は死んだ。

この死を無駄にしてはならない。残された者たちは思った。

「そうか。この国では、物を甘く煮て食べるという習慣がない。パイ生地といったものもない。なのに自分は、勝手に日本の基準を持ち出して、それを押しつけようとしていたのではないか。」

活動では、現地の人たちの目線に立って物事を考え、活動をするよう、細心の注意を払っていた。なのに。

悔しさが皆の心をよぎった。

一ヶ月後、別のブオタキが行われる日の前夜、再び彼は台所に立った。

翌日、彼が持って行ったのは、現地で取れたパパイヤで作ったプリンであった。
プリンやカスタードなら、この国の人たちは食べ慣れている。パパイヤだってそうだ。そう考えての創作料理であった。
パパイヤプリン

これはかなりの好評であった。
あっという間になくなり、その味を楽しんでくれる同僚たち。

空を見上げると、満天の星空。
死んだ彼も、きっと天国で喜んでくれている。そう思うのであった。

しかし、甘さの調節など、改善すべき点は多々ある。彼の挑戦はまだまだ続く。