協力隊活動 その12012年07月29日

さて、今回は、私の活動内容をご紹介します。

私の要請内容は、病院のIT化です。
配属先は、保健省。この国唯一の病院であるツンガル中央病院と同じ敷地内に保健省はあるため、オフィスと病院を行き来しながら活動しています。

これがツンガル中央病院です。
ツンガル中央病院1

ツンガル中央病院2

犬が、我が物顔で敷地内を闊歩しています。人間は犬を無視。犬も人間を無視。まるで、冷め切った夫婦関係そのものです。

みなさん、この写真を見てどう感じましたか? ひょっとしたらびっくりしたかもしれませんね。
しかし、ここがこの国の医療の心臓部なんです。ここで日々、救急医療や手術が行われています。
えっ、CTはあるかって? さすがにそこまでは…
でも、レントゲンや血液検査装置はあります。医師は20名くらいでしょうか。JICAからも、看護師などの協力隊員が、この病院とその周辺に数名派遣されているんです。

しかも、実はこの病院、日本の援助で建てられたものなんです。
正面の広場には、記念碑がたたずんでいます。
記念碑1

記念碑2
「新ツンガル中央病院 日本とキリバス共和国間の友好と協力の印として日本政府より寄贈された 1991年」

日本からの援助、はるか南の島で、しっかり生かされていますよ。


活動を開始するにあたり、まず、カルテ棚を見せてもらいました。
カルテ室1

カルテ室2

このように、大量の紙カルテが、棚にぎっしり並んでいます。写真で見るより、実際はもっとすごいです。

『人生がときめく片付けの魔法}』 日本から持ってくれば良かったかな?
片付け女王、来て! 劇的ビフォーアフターでもいいです。

カルテ棚がこんな状態なのに、次々に患者さんが来るわけです。だから当然、カルテを探している暇などありません。
すると、どうなるでしょう? そうです。過去のカルテがない状態で、医師は患者さんを診察することになるわけです。毎回毎回、「お名前は? お歳は? 今日はどうしました? この前、薬出しましたっけ?」そんな感じです。
しかも、カルテが二重に作成されているケースも多々。

まずは、IT化云々の前に、この状況をどうにかしたい。そう私は思いました。

「そんなこと、カルテ管理の方法を教えてあげればいいんじゃないの?」
そう思われるかもしれません。
しかし、教えて状況が良くなるくらいなら、もうとっくに改善されているはず。
原因を探ってみると、国民性に行き着くほど根が深いのです。日本の"常識"は通用しないんです。
だからこそ、過去に数名のボランティアが日本から派遣されていますが、3歩進んで2.5歩下がっている、そんな状況なのです。(でも、半歩前進しています!)

「どうしよう・・・」
帰りのバスに揺られながら、あまりの問題の大きさに、途方に暮れてしまいました。

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