参加のきっかけ ― 2012年07月01日

自分がこの世界に生まれてきた役割は何なのだろう、そう考えることがあります。命を救う仕事、命の最期に関わる仕事、芸能の仕事、ITの仕事、製菓の仕事、色々やってはきたけれど、自分はこの世界に対して何ができるのだろう。
病気の動物を元気にする仕事も楽しかった。映像を通して人を元気にする仕事も楽しかった。甘いものを作って人を元気にする仕事も面白かった。でも、それだけでいいのかな。
そうだなあ、自分は地球に元気を与える仕事をしてみたいな。
子供たちに希望を与え、
悩んでいる人がいたら解決のための触媒となり、
一緒に新しい風をおこす。
日本はとても恵まれている国だけど、そうでない国もたくさんあります。
そのような国で、自分がどこまでできるか挑戦してみたい、それが協力隊への参加のきっかけです。
さて、これから一体どんな物語が始まるのでしょうか。私自身も楽しみです。
病気の動物を元気にする仕事も楽しかった。映像を通して人を元気にする仕事も楽しかった。甘いものを作って人を元気にする仕事も面白かった。でも、それだけでいいのかな。
そうだなあ、自分は地球に元気を与える仕事をしてみたいな。
子供たちに希望を与え、
悩んでいる人がいたら解決のための触媒となり、
一緒に新しい風をおこす。
日本はとても恵まれている国だけど、そうでない国もたくさんあります。
そのような国で、自分がどこまでできるか挑戦してみたい、それが協力隊への参加のきっかけです。
さて、これから一体どんな物語が始まるのでしょうか。私自身も楽しみです。
島のサイズ ― 2012年07月15日
まずは、私の任国であるキリバスの紹介から。
場所は、太平洋の南、ほぼ赤道直下に位置します。フィジーの北あたりと言えば、分かりやすいでしょうか。「?」という方は、ニュージーランドから、ずーっと北に行って赤道にぶつかったあたりと言えば、分かってもらえるでしょうか。
場所は、太平洋の南、ほぼ赤道直下に位置します。フィジーの北あたりと言えば、分かりやすいでしょうか。「?」という方は、ニュージーランドから、ずーっと北に行って赤道にぶつかったあたりと言えば、分かってもらえるでしょうか。

(統計局のHPより)
正式名称は、キリバス共和国(Republic of Kiribati)。文化圏は、ミクロネシアに属します。
私は、首都のタラワ島で活動します。実はこのタラワ島、ビックリ満載の島です。
まずは、最初のビックリから。
正式名称は、キリバス共和国(Republic of Kiribati)。文化圏は、ミクロネシアに属します。
私は、首都のタラワ島で活動します。実はこのタラワ島、ビックリ満載の島です。
まずは、最初のビックリから。


これは、国会議事堂です。海を背にして建っており、とってもおしゃれです。日本で言うならば、お台場に国会議事堂があるといったところでしょうか。ヨットをモチーフにしているので、さながら海に浮かぶヨットのようです。
さて、ここで後ろを振り返ってみると、向こう側に別の海が見えます。

そう、右を向いても海、左を向いても海が見えるんです。それほど島の幅が狭い狭い。その幅、なんと200m。ウサイン・ボルトなら、20秒で島を縦断できます。きっと。もっと細い場所ですと、道一本挟んで両サイドが海です。

一体どんな島の形をしているのかと言いますと、こんな感じです。

ブーメランみたいに細長い島なんです。
標高、最高3m。ゾウの方が背が高いです。
「大きな波が来たらどうなるの?」そう心配に思われる方もいらっしゃるでしょうが、心配ご無用。島の周囲は珊瑚礁で囲まれているため、自然がこの島を守ってくれているのです。
しかし、地球温暖化による海面上昇の被害は確実に受けています。50年後には島が海に沈んでしまうかもしれないと言われているほど。その問題については、また改めてお伝えします。
乗り合いバス ― 2012年07月22日
この島における唯一の交通手段は、バスです。えっ? タクシー? そんなものはありません。
バスといっても、ごらんの通り、トヨタのハイエース。これがバスです。
バスといっても、ごらんの通り、トヨタのハイエース。これがバスです。

中には、こんなバスも。これでは車がかわいそう…

だから、走行中に突然エンストすることもしばしば。そんなとき乗客は、「しょうがないなぁ」という感じで、黙って直るのを待っています。文句を言う人など、誰もいません。そして、無事直ると、おもむろに乗客がバスを降りて、バスを押し始めます。そう、車体を押してあげないと、エンジンがかからないんです。
他にも、いろいろびっくり満載です。
・バスが止まったと思ったら、運転手のおっちゃんが逃走。待つこと数分。おっちゃんがすっきりした顔で戻ってきました。ああ、用を足してきたのね。
・突然、料金回収のおばちゃんが「ちょっと止まって!」と言ってバスを停車。そして近くの商店へ。戻ってくると、料金箱に大量の小銭を投入。両替してきたんですね。
そんな感じのバスですが、このバス、みんなの大切な大切な足なんです。(私も含めて)
本数も結構多いですし、早朝から深夜まで運行しています。料金も、日本円で60円から150円くらいとリーズナブル。それになにより、女性や子供一人でも安心して乗れるんです。もともとこの国は治安がいいということもありますが、バスには料金回収のおばちゃんが必ず乗っていて、このおばちゃんが車内を仕切っていることも一因だと思います。ドライバーのおっちゃんは、このおばちゃんの言うがまま。男より女の方が強いのは、万国共通なんですね。
そして、車内には音楽が大音量で流れています。音量だけは日本のパチンコ屋に負けていません。この国に来たばかりの頃はうるさく感じたのですが、次第にこれがないと寂しくなってきます。ひょっとしたら中毒になったのかもしれません…
ちなみに車内はこんな感じです。

「いったい何人乗れるの? 大して乗れないでしょ。」
そうですね… 20人以上は乗れるかな。
バスが混んできたら、席を空けるために、大人たちが車内の子供を、しかも見ず知らずの子を、自分の膝の上に載せてあげるんです。それも自然と。東京で考えられますか?
人と人の絆が強く、助け合いの精神が根付いている証だと思います。
だから、私はこのバスが大好きです。
協力隊活動 その1 ― 2012年07月29日
さて、今回は、私の活動内容をご紹介します。
私の要請内容は、病院のIT化です。
配属先は、保健省。この国唯一の病院であるツンガル中央病院と同じ敷地内に保健省はあるため、オフィスと病院を行き来しながら活動しています。
これがツンガル中央病院です。
私の要請内容は、病院のIT化です。
配属先は、保健省。この国唯一の病院であるツンガル中央病院と同じ敷地内に保健省はあるため、オフィスと病院を行き来しながら活動しています。
これがツンガル中央病院です。


犬が、我が物顔で敷地内を闊歩しています。人間は犬を無視。犬も人間を無視。まるで、冷め切った夫婦関係そのものです。
みなさん、この写真を見てどう感じましたか? ひょっとしたらびっくりしたかもしれませんね。
しかし、ここがこの国の医療の心臓部なんです。ここで日々、救急医療や手術が行われています。
えっ、CTはあるかって? さすがにそこまでは…
でも、レントゲンや血液検査装置はあります。医師は20名くらいでしょうか。JICAからも、看護師などの協力隊員が、この病院とその周辺に数名派遣されているんです。
しかも、実はこの病院、日本の援助で建てられたものなんです。
正面の広場には、記念碑がたたずんでいます。


「新ツンガル中央病院 日本とキリバス共和国間の友好と協力の印として日本政府より寄贈された 1991年」
日本からの援助、はるか南の島で、しっかり生かされていますよ。
活動を開始するにあたり、まず、カルテ棚を見せてもらいました。
日本からの援助、はるか南の島で、しっかり生かされていますよ。
活動を開始するにあたり、まず、カルテ棚を見せてもらいました。


このように、大量の紙カルテが、棚にぎっしり並んでいます。写真で見るより、実際はもっとすごいです。
『人生がときめく片付けの魔法}』 日本から持ってくれば良かったかな?
片付け女王、来て! 劇的ビフォーアフターでもいいです。
カルテ棚がこんな状態なのに、次々に患者さんが来るわけです。だから当然、カルテを探している暇などありません。
すると、どうなるでしょう? そうです。過去のカルテがない状態で、医師は患者さんを診察することになるわけです。毎回毎回、「お名前は? お歳は? 今日はどうしました? この前、薬出しましたっけ?」そんな感じです。
しかも、カルテが二重に作成されているケースも多々。
まずは、IT化云々の前に、この状況をどうにかしたい。そう私は思いました。
「そんなこと、カルテ管理の方法を教えてあげればいいんじゃないの?」
そう思われるかもしれません。
しかし、教えて状況が良くなるくらいなら、もうとっくに改善されているはず。
原因を探ってみると、国民性に行き着くほど根が深いのです。日本の"常識"は通用しないんです。
だからこそ、過去に数名のボランティアが日本から派遣されていますが、3歩進んで2.5歩下がっている、そんな状況なのです。(でも、半歩前進しています!)
「どうしよう・・・」
帰りのバスに揺られながら、あまりの問題の大きさに、途方に暮れてしまいました。
最近のコメント